冷たい風に

薄明かり

通り過ぎる人たちは

何も求めずに彷徨う


振動に打ちひしがれた

スピーカーの護謨繊維は

ちりちりと灰色の地面を這う


こうしてぼくらは

熱を奪って

また熱のある場所へと

移り変わっていく

過去を振り返った時に

何が見えるだろうか


懐かしい感情

後悔

それとも羨望？



現在と比較できる材料が過去しかないから

そういったことになるのだろう

未来は必ずしも明るくはないし

明日でさえ迎えられないかもしれない



だからこそ

今の選択を常に最良にしていきたい


過去の選択が今の自分を作るのだから

羨むのは少し違う気がしてならない

たまには制作の話しでもしようかと。
話しというよりもつぶやきに近いけれど。


今は、何点か同時進行で作っています。
過去の作品をもう少し展開できないかな、と思って試行錯誤です。

無価値なものに価値を見出すことができるのか。
大量消費社会に対して何を訴えられるだろうか。
本来の役割からの離脱が可能か。
もっと近いところに芸術を感じられないのか。


表現したいことがまだ不明瞭であるために
なかなか前に進めていない。



いつかわかると思う。

今も掴めそうなところまできていると思う。

がむしゃらだけど

歯痒い思いをしてでも

行き着く先をまっすぐ見つめていよう。

滲んだ空に

コンクリートの雲が浮かんでる

猛スピードで上空を通過するのは

昨日の影法師


こんなに重い気持ちで

ハレの日を祝うだなんて

きっとできない

きっとできやしない

気力を保つように

なにかに集中する時は

熱を伴う